Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
成田 弘一*; 前田 泰生*; 所 千晴*; 鈴木 智也*; 田中 幹也*; 塩飽 秀啓; 矢板 毅
RSC Advances (Internet), 13(25), p.17001 - 17007, 2023/06
被引用回数:1 パーセンタイル:44.81(Chemistry, Multidisciplinary)セレン(Se)は様々な産業分野で広く利用されており、工業生産として銅精錬時に陽極スライムから副産物として回収・精製されている。Seは人体にとって必須微量元素であるが、多量摂取による健康への悪影響も知られているため、自然環境におけるSe濃度と酸化状態を明らかにし、Se除去のために効率的なSe溶媒抽出法の確立が必要とされている。今回、N-2-エチルヘキシル-ビス(N-ジ-2-エチルヘキシル)アミン(EHBAA)を用いて塩酸溶液からSe(IV)とSe(VI)の抽出機構を検討した。放射光XAFS測定の結果から、EHBAAで抽出したSe(IV)及びSe(VI)錯体の内圏は、それぞれ[SeOCl], [SeO]であることが明らかになった。また、8M塩酸溶液からのSe(IV)の抽出は溶媒和型の反応であり、0.5M塩酸溶液からのSe(VI)の抽出は陰イオン交換型反応であることが示された。これらの情報をもとに、より効率的な抽出剤の開発につながる研究へ発展させたい。
桐山 幸治*; 塩飽 秀啓
JAERI-Tech 2005-044, 16 Pages, 2005/08
原研アンジュレータービームラインBL11XUの輸送部配管に接続されている真空排気ユニットの振動対策を行った。排気ユニットはターボ分子ポンプとスクロールポンプから構成されており、これらを運転させることで必然的に生じる振動が何らかの経路で分光器に伝わってしまうと、分光結晶の平行度が崩れて出射光の安定に影響を及ぼす可能性がある。そのため、排気ユニットの振動対策はビームラインの安定運転のために必要である。特に大きな振動を生じるスクロールポンプの振動をオフラインでさまざまな測定条件で測定した結果、スクロールポンプの振動を抑えるには、(1)スクロールポンプに制振装置を取り付ける,(2)排気ユニットの架台にスクロールポンプを置かず、床に置く,(3)フレキシブルチューブとスクロールポンプを床に固定するとよいことがわかった。これらの排気ユニットの振動対策を行った結果、分光結晶ホルダーにセットされた振動計の測定では、排気ユニットから分光器へ伝播していたスクロールポンプの振幅は従来の約5分の1に減少した。今回BL11XUで施した手法は、排気ユニットを導入している他ビームラインのスクロールポンプの制振対策としても十分有効な手段であろう。
桐山 幸治*; 塩飽 秀啓; 望月 哲朗*; 菖蒲 敬久*; 戸澤 一清*
JAERI-Tech 2005-003, 36 Pages, 2005/03
大型放射光施設SPring-8に設置した原研アンジュレータービームラインBL11XUにおいて、液体窒素冷却分光器(以下、分光器)に見られる振動及び出射光の時間的強度変化を抑制するために、分光結晶の振動対策を行った。振動の種類や振幅を測定した結果、110Hz, 30Hz, 50Hzの振動成分が特に顕著だった。分光器のブラッグ角や分光結晶を冷却する液体窒素循環冷却装置や真空系機器の運転条件を系統的に変化させて調べた結果、これらの振動源は液体窒素の流れによるものと分光器外部の機器からの伝播によるものということがわかった。さらに、循環させている液体窒素の流量・内圧の不規則な変動と、温度に温度調整による一定周期の変動が見つかった。そこで、それぞれの原因に対策を行った結果、振動の除去、もしくは減少させることができた。また、液体窒素の流量・内圧の変動も抑えることができた。その結果、出射光の時間的強度変化は対策前に4.47%(標準偏差:0.0113)であったが、対策後は0.85%(標準偏差:0.0011)と減少し、出射光強度の安定性が改善された。今回BL11XUで行った振動対策は、液体窒素冷却分光器を持つSPring-8の他のビームラインに対しても十分有効だろう。
戸澤 一清*; 桐山 幸治*; 三井 隆也; 塩飽 秀啓; 原見 太幹
JAERI-Tech 2004-041, 27 Pages, 2004/03
大型放射光施設SPring-8原研ビームラインBL11XUの分光結晶として、水冷ダイヤモンド結晶に換わり液体窒素冷却Si結晶を導入した。BL11XUでは6keVから70keVまでの広範囲のX線エネルギーを利用するために、Si(111)及びSi(311)の2個の結晶面を入射X線に垂直な水平軸(X軸)駆動ステージにより切り替えることのできるシステムを開発した。まず、結晶ホルダの組立などにより結晶に発生する歪みを見積もるために、結晶ホルダに結晶を組み込んだ状態における結晶性の評価をオフラインで行った。MoK線を用い二結晶平行配置で両結晶面の第二結晶についてX線の結晶面における入射位置を変化させてロッキングカーブ測定を行った。得られたロッキングカーブの半値幅はいずれもX線の入射位置に依存せず一様で、理論値とほぼ同等であり、結晶性が良いことがわかった。BL11XUにおいてアンジュレータ放射光を用いて強度測定及びロッキングカーブ測定を行った。その結果、いずれの結晶面もX線強度が増加し、熱負荷による影響が見られず、冷却性能も良好であることがわかった。
桐山 幸治*; 高橋 正光; 塩飽 秀啓
JAERI-Tech 2004-017, 39 Pages, 2004/03
SPring-8/BL11XUでは放射光の集光と結晶による高調波を除去するために70cm長の全反射ミラーを導入した。SiOを基盤とするこのミラーは、広いエネルギー領域で使用できるよう、上下2箇所にPtとRhのコーティングを施し、おおよそ6KeVから35KeV程度まで利用できる。BL11XU実験ハッチ3においてミラーの特性評価を行った結果、ミラーを利用したX線は、集光前の入射光に対して、約3倍の強度,3分の1の半値幅となり、高調波の除去も良好であった。ミラーを利用した放射光利用実験を円滑に進めるために、ミラーを正確かつ短時間に調整することが必要である。しかし、これまでに立ち上げ手順や操作手順が系統的にまとめられていないために、必ずしも効率の作業ができるとはいえなかった。そこで、BL11XUでは、作業手順を整理し、系統的なマニュアルを作成した。マニュアル化されたことによって、ミラーの使用経験・調整経験の少ない実験者であってもミラーを容易に使用・調整することが可能になった。
塩飽 秀啓; 三井 隆也; 戸澤 一清*; 桐山 幸治*; 原見 太幹; 望月 哲郎*
AIP Conference Proceedings 705, p.659 - 662, 2004/00
SPring-8の原研専用アンジュレータビームラインBL11XUにおいて、マルチ結晶切り替えシステムを備えた液体窒素循環冷却分光器を開発した。原研が推進する研究を網羅するためには6keV-70keVのX線を利用する必要があり、Si(111)結晶面とSi(311)結晶面を切り替えながら使用しなければならない。そのために、複数の結晶及び結晶面を切り替えることができ、かつ液体窒素循環冷却装置を備えた分光器を開発した。最初に、Si(111)結晶面とSi(311)結晶面に応用した。結晶切り替えの原理は、二組の結晶を並列に配置し、二組の結晶を並進させることで結晶を切り替える。結晶間及び結晶とホルダー間の熱伝達を向上させるために、インジウムシートを挿入した。また出射X線の安定性を向上させるために、調整軸数を減らした。さらに液体窒素による過冷却を防止する装置を設置した。現在は装置の立ち上げと調整を終え、今回の開発により、今まで使用したダイヤモンド(111)結晶と対比して、およそ7倍の強度が向上した。特に、結晶交換に通常3日-5日間を必要とするところを、このシステムではわずか5分間で交換と調整を終えることができた。このシステムは非対称反射結晶にも応用でき、非常に有効であることがわかった。
戸澤 一清*; 桐山 幸治*; 三井 隆也; 塩飽 秀啓; 原見 太幹
AIP Conference Proceedings 705, p.671 - 674, 2004/00
大型放射光施設SPring-8において原研ビームラインBL11XUの分光結晶として、水冷ダイヤモンド結晶に代わり液体窒素冷却Si結晶を導入した。6keVから70keVまでの利用エネルギー全範囲でX線性能を向上させるために、Si(111)及びSi(311)の2個の結晶面を入射X線に垂直な水平軸(X軸)駆動ステージにより切り替えることのできるシステムを採用した。まず、結晶ホルダの組立などにより結晶に発生する歪みを見積もるために、結晶ホルダに結晶を組み込んだ状態における結晶性の評価をオフラインで行った。MoK線を用い二結晶平行配置で両結晶面の第二結晶についてX線の入射位置を変化させてロッキングカーブ測定を行った。得られたロッキングカーブの半値幅はいずれもX線の入射位置に依存せず一様で、理論値とほぼ同等であり、結晶性が良いことがわかった。BL11XUにおいてアンジュレータ光を用いて強度測定及びロッキングカーブ測定を行った。結果的に、いずれの結晶面も十分な出力強度の増加が得られ、高熱負荷によるロッキングカーブの半値幅の増幅もなく、X線性能の飛躍的な向上が実現した。
桐山 幸治*; 塩飽 秀啓; 戸澤 一清*
JAERI-Tech 2003-061, 21 Pages, 2003/07
X線の質及び強度を向上させるために、BL11XUでは液体窒素冷却したシリコン分光結晶(Si(111)とSi(311))を導入した。その分光結晶の冷却には内部循環方式の液体窒素循環冷却装置を採用した。この液体窒素冷却シリコン結晶を導入した後に放射光利用実験を円滑に進めるためには、液体窒素温度付近まで分光結晶を、安全かつ短時間に冷却することが望まれている。しかし、これまでは簡便な取り扱い説明書しか無く、立ち上げ手順や操作手順が系統的にまとめられていないために、必ずしも効率の良い作業ができるとはいえなかった。そこで今回、BL11XUで使用するために液体窒素循環冷却装置の取り扱い上のノウハウを含む系統的な手順書としてまとめた。その結果、装置本体の立ち上げを間違いなく確実に行うことができるようになり、速やかな装置立ち上げが可能となった。
小西 啓之; 塩飽 秀啓; 米田 安宏; 三井 隆也; 西畑 保雄
SPring-8利用者情報, 4(5), p.4 - 8, 1999/09
SPring-8にある原研ビームラインのうち、BL14B1及びBL11XUの現状について報告する。1998年3月に本格的な利用運転を開始したBL14B1(材料科学用ビームライン)については、分光結晶の水冷却の際に生じる振動を軽減するための対策と、新型間接冷却用分光結晶の性能試験について報告する。また1996年に建設を開始したBL11XU(材料科学用ビームライン)については、1998年のコミッショニングを経て1992年の核共鳴散乱装置立ち上げに至るまでの経過について述べる。